「生まれてくる赤ちゃんは、夫婦で協力して育てたい!」
誰もがそう強く感じることだと思います。
「大変なこともあるけれど、夫婦でならきっと乗り越えられるはず♡」
、、、な〜んて、悠長なことを言っていると、痛い目を見るかもしれませんよ。(経験者は語ります。笑)
今回、お話を伺ったのは、パパや夫婦向けの両親学級、パートナーシップセミナーの講師をしている佐野崇之さん。
時間が戻せるなら、私も受けておきたかった!
そうすれば、理想の育児生活にたどり着くまで、こんなにも回り道せずにすんだのかも。
( どちらかというと子育てに協力的な夫ではあるけれど、それでも色々ありましたから。やっと自分たちのペースが掴めてきた気がする〜。何だかんだ、8年かかって今に至る。遠い目)
だからこそ、出産を控えているパパママにぜひ知ってもらいたい!そんなお話です。
「パパも産後すぐから育児に関わった方が絶対にいい!」という佐野さんの強い想いに迫ります。
佐野崇之さんのプロフィール
会社員をしながら、パパや夫婦向けの両親学級やパートナーシップセミナーの講師をされている佐野さん。3児のパパ!
パパサークル「パパCOME ON!」のメンバーの一員で、県内各地の子育てイベントに「歌と手遊びのお父さん」として、出演多数。
また、とくしま子育て大賞 2018年で、「イクメン・カジダン大賞」を受賞されるなど、「徳島を男性の家庭活躍推進県」にすることを目指して、パパが ”パパを楽しむ”きっかけを作りたいと積極的に活動されています。

イクメン・カジダン大賞授賞式

パパカモンの歌と手遊び
産後について、夫婦で話し合う理想のタイミング
つわりもやっと落ち着いて、少し心にゆとりが生まれるのが、妊娠中期(妊娠5〜7カ月)。
一般的に安定期と呼ばれる頃です。
妊娠中期こそが、「産後のことを話し合うベストなタイミング」と佐野さんはいいます。
妊娠後期になると、お腹も大きくなってくるし、出産準備などでバタバタしがち。産後になると、自然と赤ちゃん中心の生活になるから、1日があっという間に終わるという日々が続きます。
出産後について、夫婦でゆっくり話すことができるのも、この妊娠中期がチャンスというのは納得です!
でも、一体どうすれば? 佐野さんに詳しく聞いてみました。
育児の実技よりも、相手を知ることが重要!
「あなたのパートナーにとって、“生活や人生で大切にしていること”って何?」
この質問に答えることができますか?
改めて考えてみると、「ちゃんと知らない…」という方もいるのではないでしょうか。
また、答えることができたとしても、いざ答え合わせをしてみると、お互い「全く違っていた」ということもありそうです。

セミナーなどを開催すると、「夫が育児や家事に積極的でない」という意見や相談を聞くことが意外と多いです。でも、夫婦だからといって「言わなくても伝わる」ということは、まず「ない」というのが現実ですよね。

あ”〜〜(反省)。「この状況を見てたら、言わなくても大変なの分かるでしょ!?」って思っていたし、態度にも出てたと思います(笑)。子どもが生まれるまで、ほとんどケンカはなかったのに、産後は私が一人イライラ、プリプリしてましたね…。

産後という時期は、夫婦関係が大きく変化するときです。夫婦間のコミュニケーションが問題解決のカギになってくれるかもしれません!

初めてのことばかりで余裕もなく、夫の優しさからの行動が全て裏目に(笑)。イライラすることも多くて、正直こんなにも生活が一変するなんて、想像できていませんでした。

お互い未経験からのスタートですから、当然です。でも、自分一人でやっている大変さをきちんと伝えたら、夫婦の関わり合いが変わってきたという方もいるんです!
定期的に行う夫婦会議もオススメです。それぞれの夫婦で状況が違うので、例えばお子さんの成長のタイミングなど、お互いの考えを伝え合う時間を作って欲しいですね。

今なら、その言葉の重みが理解できます。お互いの気持ちは、言葉に出して伝えないと分からないですよね。振り返ると、ちゃんと話合う時間ってなかったかもしれません…。夫婦会議っていいですね!
「子どもが泣く=ママじゃなきゃダメ」は勘違い?
はじめての赤ちゃんの育児は、母親にとっても父親にとっても、はじめての体験。
赤ちゃんとの生活は、「母親だからできる」ではなく、父親でも「経験を積めば、出産と授乳以外の育児はできるもの!」と、佐野さん。
オムツ替えや寝かしつけも、「これでもか~!」というくらい、数をこなせば必ずコツはつかめるといいます。
やっていくうちに、ママが少しずつ安心して任せられるようなレベルになっていくものかもしれませんね。

赤ちゃんに限らず、抱っこされるなら慣れている人の方が心地良いし、安心しますよね。
「パパが抱くと泣くから、ママへ」ではなく、赤ちゃんが慣れるまで根気よく続けることがポイントらしいですよ。
確かに!必要なのは、パパとしての経験値なのかも。
パパの育児スキルUPのチャンスを奪ってしまっていては、いつまでたっても理想の育児とのギャップに悩まされてしまいます。
余裕がなくなりがちですが、協力体制を整えていくためにも、ママがパパの成長を見守ることも大事な心がけですね。
「育児休暇(育休)」は、夫婦が協力する育児の第一歩
「育休を取っておけば良かった!」という佐野さん自身の後悔もあって、これからパパになる方々に同じ思いをしてもらいたくないといいます。
夫婦が仲良く育児するための第一歩として、「育児休業(育休)」は重要だと、教えてくれました。
産後のダメージが大きい産褥期(さんじょくき)といわれる時期は、ママ以外の人が育児できる環境作りは大切!
里帰り出産という選択肢もあるけれど、デメリットもあります。だからこそ、男性が育児をして、出産後の特に大事な時期のサポート役を担ってあげることが一番理想と考えられています。

育休の必要性をもっと多くの夫婦に知って欲しいです。正直、産後クライシスについても知ったのは本当に最近です。知らないがために、もっと関係を悪化させてしまっていた可能性があったという事実は、当時を振り返っても怖いですね。
全国でも人気の両親学級を徳島で受けてみよう!
両親学級でよくある妊婦体験やオムツ替えは、どちらかといえば実技。両親が参加するものでも、パパに向けた話がほとんどないのが現実なのだとか。

僕自身も「父親になるんだ」というヤル気はあったものの、どうしたら良いか分からない不安がありました。思い返しても、お互い初めての子育てで、手探り状態だったと思います。事前に知っていたら、もっと心構えもできて、状況が違っていたのかもしれません。
佐野さんは、2019年に株式会社アイナロハ 代表の渡邉大地氏が主催する両親学級の学び場「パパニティクラス教習所」を受講。
「パパニティクラス教習所」とは、佐野さんのメンターである渡邉大地氏が、これまで全国約1万5,000人の受講者に「パパニティクラス(両親学級)」を実施した経験を生かして、学級を運営できる人材を養成するために行っています。
沐浴の練習やオムツ替えなど、実技のレクチャーではなく、産後の女性の体調のことや、産後の憂鬱や焦り、孤独感などを男性側に知ってもらうことを大切にしています。
ママからは「言わなくても分かってよ」と言いたくなってしまう部分かもしれませんが、パートナーに事前に知っておいてもらうと、今後の育児生活をする上で、「思いが噛み合わなくてツライ」といった経験をすることを少しでも回避できるきっかけになりそうです。
夫婦で楽しく育児を共有できるような環境を一緒に作るために、佐野さんが主催者や受講者に合わせて、オリジナルのプログラムを考案してくれます。
「女性の身体の変化」「出産のダメージが回復するまでの期間」「ママがパパにして欲しい家事」など、話を聞くだけの堅苦しいものではなく、クイズだったり、参加者同士で話し合ったり、楽しみながら学ぶことができるのも魅力です。
他の家庭や人の意見を聞くことで、物事を客観的に捉えることができるのも、正解がない問題だからこそ大切な視点です。

どうして、産後すぐからパパが育児をした方が良いのか、パパだけでなくママにも知っておいて欲しいこともあるので、男性側の立場として、意見をお届けできれば嬉しいです。
佐野さんの両親学級の開催情報
「NPO法人 子育て支援ネットワークとくしま」がオンラインで両親学級を開催!
プレパパ・プレママ&産後6カ月までのパパママに向けて、産後の育児を笑顔にする、産後の夫婦の過ごし方を一緒に考えるプログラムです。
時間 10時〜12時
会場 WEB会議システム(Zoom)
対象 妊娠中の夫婦 & 産後6カ月までの夫婦
参加費 無料(要申込み)・定員10組
※イベントの詳しい情報は、こちら
さいごに
「実技よりもパパとして大切なことや、子育てを夫婦で協力してするために必要な心構えをもっとはじめから教えて欲しかった!」
佐野さん自身の経験から、妊娠安定期を過ごしている夫婦に、出産のことだけでなく、産後の子育てについて考えてもらうきっかけの一つになりたいと熱く語ってくれました。
旦那さんが育休を取ってくれたとしても、家事や育児をあまりしないパパが家にいては、逆効果!

産後の育児について、妊娠安定期に話し合うのは、絶対オススメ!すべての家事をパパがするのは難しくても、家事をどう夫婦で分担するかなど、相談し合うきっかけ作りに佐野さんの両親学級に参加してみてくださいね。